肝ぞう、胆のう、胆管、すい臓の病気
肝ぞう
慢性肝炎から肝硬変、肝ぞうがんへと進展するウイルス性肝炎診断と治療は開院以来、大きなテーマでした。C型肝炎においては、当院で数年前まで200人前後の患者さんにインターフェロン中心の治療を行い、完全にウイルス消失という成果を挙げてきましたが、発熱などの副作用が出たり、治療抵抗性の方もおられて患者さんにはつらい思いをしていただいこともあります。最近はインターフェロンフリー(インターフェロンを使わない)治療により、飲み薬だけでC型肝炎をほぼ100%治せる時代になりました。B型肝炎においては、ウイルス消失はできませんがウイルス増殖を抑えることで肝炎が鎮静化する薬(拡散アナログ製剤)にて治療することでとても高い効果を挙げています。皆さん一度はC型・B型肝炎ウイルス感染の有無を血液検査でチェックをしていただき、ウイルス感染陽性が判明しましたらいつでも受診してください。当院では肝臓専門医(院長・副院長)および肝炎診療コーディネーターの資格を持つ看護師(3名)がいます。ご気楽にご相談くださいませ。
その他、アルコール性肝炎や自己免疫性肝炎、原発性胆汁性胆管炎などの自己免疫疾患においても治療を行っています。また、最近ではアルコールを常飲されていない脂肪肝を背景とした非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の患者様が増えており、診断や定期検査および治療をお勧めしております。
これらの疾患は肝硬変や肝ぞうがんを発症する危険があります。当院では上記の治療に併せて、肝炎診断や肝ぞう癌の早期発見に非常に有用であるCT検査(ダイナミックCTも可能)や超音波検査を定期的に行っています。
胆のう、胆管
胆のうは、肝臓で生成された胆汁を一時的に貯めて濃縮する袋状の臓器です。食事をする際に貯めていた胆汁を胆管を通じて十二指腸に出す役割があります。胆管は肝臓から十二指腸をつなぐ胆汁が通る管のことです。十二指腸に出された胆汁は食べ物と混じりあって、脂肪の吸収を助ける働きがあります。
胆石症や胆のうポリープ、胆のう腺筋腫症、胆のうがん、胆のう炎、総胆管結石、胆管炎などの疾患があり、血液検査や超音波検査、CT検査による診断を行っています。
すい臓
すい臓は、ホルモンを分泌する内分泌機能と消化酵素である膵液を小腸に送り込む外分泌機能がある器官です。すい炎やすい臓がん、すいのう胞性腫瘍などの疾患があり、血液検査、超音波検査やCT検査による診断を行っています。また、糖尿病も内分泌の機能に異常をきたして、血糖値が異常にあがる病気です。